ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」梅芸版@東京国際フォーラム ホールC 2021.2.6.Sat.
元宝塚トップスター「明日海りお」さんと、俳優「千葉雄大」さんが出演とのことで、ビジュアル画像が初披露された時は非常に話題になった今作。スネ毛ちゃんは梅田芸術劇場有料会員の第3次先行でようやくチケットを獲得することができました( ; ; )2階席だったけど!!!ありがたい!!!
「別冊少女コミック」にて1972年〜1976年に掲載された漫画「ポーの一族」が原作となっています。それを宝塚歌劇団がミュージカル化し、2018年に宝塚歌劇団花組によって初演となりました。
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今回の梅田芸術劇場バージョンの主演は、宝塚花組版でも主人公エドガーを演じた宝塚元トップスターの「明日海りお」さんが担当。女性主役の作品に関しては、宝塚を退団した元トップ娘役が採用されるケースは多々あります(例:ミュージカル「エリザベート」)。しかし、宝塚特有の「男役を女性が演じる」ということを退団後、宝塚以外の公演で採用するのはかなりのレアケースだと思います。
兎にも角にも、哀しく美しいバンパネラの世界を語らせて頂きたいと思います(*’▽’*)
【ストーリー】
舞台は1700年代のイギリス。まだ幼い主人公エドガー少年と、妹のメリーベルは森の奥に捨てられてしまいます。捨てられた兄弟を、森奥の館に住む老ハンナが拾い育てます。
この街には永遠の時を生きる「バンパネラ」が住むと言われており、人間の血を吸うことから住民たちに恐れられていました。ある日エドガーは、老ハンナをはじめ、館にいる者が全員バンパネラであることを知ってしまいます。住民たちもそれに気づき、吸血で殺される前にバンパネラを退治しようと結託。そしてバンパネラの館は人間によって壊滅状態になります。バンパネラの長である「キング・ポー」は自らの仲間を「ポーの一族」と名乗り、危機に陥った一族の存続のため、エドガーを無理やりバンパネラに変えてしまったのです。
永遠の命を手にしたエドガーはその後、バンパネラのポーツネル男爵とその妻シーラと共に、長い時を生きることになります。
時が経ち、エドガーたちは港町ブラックプールに姿を表します。そこで男爵とシーラは現地の医師であるジャン・クリフォードをポーの一族として仲間にしようと目論みます。そんな中エドガーは、名家の跡取りアラン・トワイライトと出会い、彼の人生の急展開を迎えることに・・・
補足:一般的な「ヴァンパイア」と言われる架空の存在を、この世界では「バンパネラ」と呼んでいます。原作漫画の作者・萩尾望都さんが「バンパイア」とは違う言葉を探しているときに、ヴァンパイアのスペルを読み間違えて出来た造語だそうです(笑)
【構成】
計2時間50分(途中休憩25分含む)の2幕構成です!
公演前後・休憩時間中は物販スペースが賑わっていました。
スネ毛ちゃんはパンフレットを購入しました。メインのエドガー・アランに関しては告知ビジュアルのカットと、パンフレット用の制服カットが収録されていました( ^ω^ )また、アンサンブルキャストのページが充実しており、一人一人の説明も入っていました。これだけアンサンブルキャストにスポット当てているパンフレットは珍しいと思います。
【ピックアップキャスト】
やはり「明日海りお」さん、ぶっちぎりMVPであると思います・・・!
宝塚退団後、初の舞台出演。しかも男役として、宝塚で演じた作品・役をそのまま。宝塚の世界観から、良いところ残しつつ、梅芸版に寄せるべきポイントも押さえている様子を伺うことができました。
生で明日海さんのパフォーマンスを感じると、鳥肌が立つぐらいの凄さがあります。一番端の席まで通る声なのに、余裕な感じが出てるんです。バケモノか!?!?と思うぐらいです(良い意味で)。
元宝塚トップスターということもあり、宝塚男役で培ってきた凄まじい色気があります。そして、身長169cmでスタイルが抜群です!作中、ボルドーのピタッとした衣装を着こなしているんですが、あれを着こなせるのはなかなかいないですよ・・・観てもらえればわかります(笑)
【感想】
「バンパネラ」の存在する世界。迫力のある演技や歌声、凝った演出や衣装によって、観劇者はゴシックな世界に引き込まれること間違いなしです!まるで絵に描いたような、漫画の世界が舞台上で再現されています。いわゆる「2.5次元」に定義されるのかもしれません。ただ、2.5次元以上の何かがそこにはあったと思います(説明が下手すぎてすみません…)。
人間ではない存在にさせられたエドガーは、「バンパネラの自分は何のために生きるのか」「生きるために人間や仲間を犠牲にしてしまう葛藤」これらを命題に永遠の旅に出ます。「愛」と「孤独」について考えさせられるシーンでは、観劇する側も共感させられる部分があると思います。
今作に関しては「音楽」のポイントが非常に高いと思いました!生のオーケストラ、バスからソプラノまで層のある男女混合コーラス、そして主人公エドガーのパワフルボイス。梅芸版だからこそできるメリットが存分に発揮されているように感じました。
ゴシックな世界観が好きな方にとっては、刺さるものがあると思います(趣味嗜好的にも…笑)。「ポーの一族」の非日常空間を浴びて、今週も頑張ろうという「エナジー」をたっぷりいただきました(*≧∀≦*)
【スネ毛ちゃん評価】
総合評価:★★★★☆
初心者にオススメ度:★★★☆☆
「バンパネラのいる世界」という非常にぶっ飛んだ世界観に追いつけず、理解できない方も出てくると思います。普段からアニメや漫画を好んでいる方にとっては、とても夢のある舞台に感じられること間違いなしです!2.5次元の舞台が好きという方も、ハマるのではないかと思います。
ミュージカルファンにオススメ度:★★★★☆
宝塚以外でも明日海りおさんを拝見できるということで、普段宝塚を観ない方はぜひ1度足を運んでいただきたいなと思います!宝塚Ver.を観た方にとっては、演出はもちろん、セリフや衣装の変更がありますので比較しながら楽しめると思います。千葉雄大さんの演技も非常に可愛らしくハマり役なのですが、初ミュージカル出演ということもあり歌唱力は満点出せません(上手ですよ!満点出せないだけです)。その辺を厳しく見る方に限り、お勧めできないかなと思います。
【公演期間】
[大阪公演]
2021年1月11日(月祝)~1月26日(火)@梅田芸術劇場メインホール
[東京公演]
2021年2月3日(水)~2月17日(水)@東京国際フォーラム ホールC(東京・有楽町)
[名古屋公演]
2021年2月23日(火祝)~2月28日(日)@御園座(愛知・名古屋)
[ライブ配信]
・2020年2月7日(日)12:30公演
・2020年2月13日(土)12:00公演(エドガー アングル)
・2020年2月13日(土)17:00公演(アラン アングル)
・2020年2月28日(日)12:00公演(大千秋楽)
料金:4,500円(税込)
「ポーの一族」公演サイトに購入案内あり
[ライブビューイング]
2020年2月28日(日)12:00公演(大千秋楽)
料金:5,500円(税込)
「ポーの一族」公演サイトに購入案内あり
ライブ配信など、観られるチャンスもまだまだあります!ぜひチェックしてみてくださいo(`ω´ )o

【ミュージカルのスネ毛ちゃん】
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「ミュージカルのスネ毛ちゃん」プロフィール・全観劇歴
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