韓国ミュージカル「僕とナターシャと白いロバ」日本版@浅草九劇 2020年2月6日(土)
「僕とナターシャと白いロバ」は韓国発祥の人気ミュージカルです!韓国内では作品に「ナナヒン」という愛称があり、多くの人から愛されている様子が伺えます。2021年、初の日本版初演を迎えることとなりました(*^^*)
コロナ禍での公演ということで、感染防止対策を徹底していらっしゃいました!写真のように全ての客席にパーテーションが設置されています…!
ご案内にも記載しておりますが、客席は当初より50%換算で設定をしております。
お客様同士は、写真のようにパテーションが施されており、距離が保たれております。
また舞台面と客席の間には間隔は十分とれておりますが、さらにビニールシートを設置する予定です。 pic.twitter.com/QRPMyVP0Nb— 僕とナターシャと白いロバ (@mnwd_jpn) January 20, 2021
舞台と客席の間にも透明な幕がおりているため、舞台上からの飛沫が客席に100%飛ばないようになっていました。その代わりに、役者さんの表情がはっきりとは見えません。場所や角度によっては、舞台の役者さんが多少ぼやけて見えたりもしましたが、そこまで気にすることなく観劇できました!
はやくコロナが終息して、安心して観劇できる日が来て欲しいなと改めて感じました。
↑会場の浅草九劇。会場内のお手洗いが使用できないため、近辺のファミリーマートのトイレを利用される方が多いです!
【ストーリー】
ストーリーはなんと韓国の実話が元になっています…!
補足:途中に出てくる「妓生(読み:キーセン)」という言葉は、韓国の高級娼婦のことを指します。
主人公「ペクソク」は詩人を目指していました。ある日ペクソクは、妓生(キーセン)として働く「ジャヤ」と恋に落ち、結婚することを夢見ます。
2人は一緒に暮らし始めましたがペクソクの父が世間体を気にして、ペクソクを無理やり他の女と結婚させてしまいます。それでもペクソクはジャヤのことを愛し、父親から逃げては彼女の元にやってくるのでした。
当時、ペクソクは韓国の満州で詩人活動を行い、ジャヤはソウルで妓生をしていました。ある日、二人の拠点の間にある「38度線」と呼ばれる地域の境目が、戦争の影響で通行不能となってしまいました。それを機に2人は二度と会うことはありませんでした。
ジャヤは愛するペクソクが帰ってくるのをひたすら待ち続けていました。待ち続けても彼は戻ってこないまま、50年の時が過ぎ去ろうとしていました。それでもジャヤは、50年の間で国民的詩人に成長したペクソクに人生を捧げることができた良かったと誇りに思うのでした。
【構成】
約1時間30分の1幕構成です。途中休憩はありません!
公演終了後、会場外で公演パンフレットを購入することが可能です。
【ピックアップキャスト】
このミュージカルですが、たった「3名」の出演者で成り立っています。
主人公の「ペクソク」、そして「ジャヤ」。もう1名は「マルチマン」という役割で補われています。マルチマンは1人で複数の役割を掛け持ちするポジションで、韓国ミュージカルでよく採用されています。今回のマルチマンは「ペクソクの友人」「ペクソクの父」などなどなど・・・舞台に出てきてはコロコロとキャラが変わっていきます。

そんなマルチマンを演じる伊藤裕一さんに、注目させていただきました…!
この物語を見ていると素敵な話だと思う一方で、どうしても過程や結末が心苦しく感じることも多かったです。そんな感情を救ってくれる「マルチマン」を演じられているように感じました。観ている我々を「ホッ」とさせてくれるキャラクターで、良いアクセントになっていたと思います。
韓国ミュージカルに欠かせない“マルチマン”も本作に登場、二人を結びつけた友人や、ペクソクの親、世間の声などを演じ分け、詩の朗読なども担います。マルチマンは、浅草九劇で『 #フェイス 』『 #楽屋 』と主演を務めてきた実力派・ #伊藤裕一 が挑み、ミュージカル俳優としての一歩を踏み出します。 pic.twitter.com/T62ORJ8QEP
— 僕とナターシャと白いロバ (@mnwd_jpn) November 8, 2020
【感想】
・演出と展開・
出演者3名とピアノ伴奏1名の簡潔な構成で、一味違うミュージカルを楽しむことができました。小さな劇場なので演者との距離も非常に近く、臨場感がありました。
展開に関しては、時代や場面が変わったりすることが多く、観ていて状況を把握するのが難しいなと思う場面も多少ありました。また、当時の韓国の時代背景や登場人物の特徴が事前にわかっていないと、理解できないことも出てくると思います。ペクソクが詩人であることはもちろんですが、どの時点でどのぐらい有名なのかをわかっている必要があると思います。また、キーセンというのが卑しい身分であるということも前提知識にあるとスムーズに状況を掴めるかと思います。
・作品・
ひたむきに頑張って、来るはずのない恋人を待つ。そして恋人が来なくとも負の感情を持つどころか、彼に一生を捧げられたことに誇りを持つ、とても純粋な心を持つ女性がいた。これが実話であることも合間って、非常に心揺さぶられました。
二人が最終的に一緒に添い遂げられていたら、どうなっていたのだろうか。ジャヤが50年もペクソクを待っていたことは、正しかったのだろうか。そんなことを考えてしまう自分がいました。でもこんな考察はどうでもよくて、大事なのは「ジャヤ自身の経験と、無償の愛」なのだと思います。
叶わぬ純愛で泣きたい方!そして、普段とはちょっと違うミュージカルを楽しみたい方にお勧めしたい作品でした。
【スネ毛ちゃん評価】
総合評価:★★☆☆☆
初心者にオススメ度:★☆☆☆☆
初めての観劇にはあまりお勧めできないです。何作か観劇経験のある方は、斬新に感じられると思います!
ミュージカルファンにオススメ度:★★★☆☆
普段ミュージカルを観ている方でも、あらすじや時代背景を押さえておかないと追いつけない場面があると思いますので、そこだけ押さえておくのをオススメいたします!ステージと客席の間に透明幕があったり、音楽も電子ピアノ1本ですので、華やかなミュージカルという感じではないです。しかし、良い意味でかなり心抉られる作品なので、感情の刺激が足りない方は是非…!
【公演期間】
2021年2月3日(水)〜2月28日(日)@浅草九劇(東京・浅草)
[ライブ配信]※アーカイブなし
2月13日(土)18:00※ジャヤ役=AKANE LIV
2月20日(土)18:00※ジャヤ役=月影瞳
・視聴券 4,000円
・プレイガイド チケットぴあ https://w.pia.jp/t/bokutonatasha/

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